住まい・不動産

地方移住やってみた 秩父の空き家バンクを利用したある家族の生活

人口の少ない町だからこその存在感

 人口の少ない秩父地域では「一人の存在」の大きさを実感するという。

「何十万人が生活をしている都会では、自分一人はちっぽけな存在にしか思えず、声をあげても届く気がしないかもしれません。でもこの街では、がんばる姿を見てくれる人がいるんです。

 横瀬町の町長さんは『町民全員の顔がわかる』のだそう。道で会ったとき、娘の蒔結に『どう、元気になった?』と話しかけて、体調を心配してくれたこともありました」(細野さん・以下同)

 秩父市では現在、毎週火曜日に『コロナに負けるな! 助け合いマルシェ』という取り組みを行っている。飲食店を中心にテイクアウトメニューをワンコインで提供しているのだ。

「うちもお弁当を出しているのですが、販売スタッフのボランティアに参加したら、みなさん、すごく喜んでくれる。こういうときも役に立っているなという実感があります。個々の存在が際立っているんです」

 地域のコミュニティーに参加するなど、自分の力が有効活用できる場所にアクセスする。その貢献が居心地をさらによくしてくれる──細野さんはそう実感するという。

※女性セブン2020年6月25日号

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