(2)「コトからモノへ」の巻き戻し
次に、4月の1世帯あたり消費支出の内訳をみていきます。まず支出金額が減少したものについて概観すると以下のようになります。
【2019年4月→2020年4月】
・外食:14,562円→5,127円(名目増減率-65%)
・交通:7,983円→2,214円(-72%)
・旅行:9,762円→590円(-94%)
・入場・観覧・ゲーム代:3,131円→850円(-73%)
・被服及び履物:11,501円→5,199円(-55%)
ご覧のように外食、交通、旅行など「外出」を伴う消費がことごとく大幅減となっています。特に旅行の94%減は衝撃的な数字です。入場・観覧・ゲーム代も、そもそもイベントやスポーツの試合が軒並み中止になっているので、こちらも大幅減。被服及び履物(つまりはファッション関連)も、店舗の休業に加え、外出機会が減ったことで需要も減ってしまったと考えられます。
その一方で、支出金額が増加した項目は以下のようなものが並びました。
【2019年4月→2020年4月】
・麺類:1,392円→1,921円(名目増減率+38%)
・酒類:3,120円→3,823円(+23%)
・家事用消耗品:2,789円→3,579円(+28%)
・保健用消耗品:713円→1,631円(+129%)
・パソコン:852円→1,519円(+78%)
・ゲーム機:39円→68円(+74%)
麺類、酒類などの食料品や、家事用消耗品(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、洗剤などの日用雑貨)と、家庭で消費する日用品の増加がみられるほか、衛生用の保健用消耗品(マスク、ガーゼなど)は倍以上の伸びとなりました。また、おそらくテレワークへの対応のためと思われるパソコンの購入も急増。家での時間を楽しむためか、ゲーム機も大きく伸びています。