新型コロナウイルスの影響は、日本経済に大きなダメージを与えている。早くコロナが収束するよう神頼みしている人もいるかもしれないが、当の神社もコロナ不況に見舞われているのが現状だ。
九州北部のとある神社で、長年宮司を務めるNさん(60代/男性)は、「この神社に仕えて40年が経ちますが、こんな事態ははじめて」と語る。
Nさんの神社がある場所は古い城下町で、戦国武将とも縁が深いことから、通常なら年間を通して観光客も多い。しかし今年は、全国的に緊急事態宣言が解除された6月に入ってもなお、境内はシーンと静まり返っている。
御朱印バブルが一転、収入がほぼゼロに
「異変を感じたのは、今年3月頃。コロナの影響から、参拝客がパッタリ来なくなったのです。賽銭はもとより、お守りを買う人や御朱印を求める人もいません。去年のこの時期は元号が令和に代わり、神社はどこも“御朱印バブル”状態でした。それが、1年後にこんなことになるなんて……」(Nさん・以下同)
相次ぐ祭りやイベントの中止も、収入に暗い影を落としている。
「地域では神輿をはじめとした、春ならではの大小さまざまな祭りが予定されていましたが、3密が避けられないことから、すべて中止。神職の出番も激減しました。致し方ないとはいえ、祭りを楽しみにしていた氏子の方々も大変残念がっていて、“気枯れ”が心配です。
また、お宮参りや地鎮祭も『延期したい』といった連絡が相次ぎ、御祈祷料等による収入は何分の1どころの話ではなく、ゼロに近い状況。有名な神社であれば体力もあるのでしょうが、ウチのような小さな規模の神社は正直しんどいです」