一方で、今後、財政が厳しくなると見られる自治体もある。コロナをきっかけに、その“勝ち負け”が、よりはっきりしていく可能性がある。
「たとえばふるさと納税の高額返礼品で話題になった大阪・泉佐野市は、総務省の同制度から除外されたことで税収が厳しくなる。コロナの影響で市内にある関空の利用客が激減したこともあり、大きなダメージを受けることになるでしょう」(小川氏)
休業要請や時短営業要請を行なった事業者への対応も大きな差が見られた。東京都が13万事業者に1000億円規模の“協力金”を用意したが、山梨県のように「われわれの財政では極めて難しい」(長崎幸太郎知事)と、休業要請を行ないながら協力金をゼロとする自治体もあった。
県や市町村の境界線を一歩跨ぐだけで大きな格差が存在することが、白日の下に晒された。
※週刊ポスト2020年7月3日号