芸能人・著名人の相続・終活
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梅宮アンナ 父・辰夫さんの遺言書が「なくてよかった」と語る理由

梅宮辰夫さんが闘病中に作成したレシピ本の表紙

梅宮辰夫さんが闘病中に作成したレシピ本の表紙

大変だけど楽しい時間だった

 1つだけ、辰夫さんが生前に準備しておいたことがある。莫大な相続税の負担を減らすため、アンナの娘の百々果ちゃん(18才)を5年前に辰夫さんの養子にしていたのだ。

 ただ、相続は身近にいる家族だけの問題ではないことが、死後になって身に染みたという。

「法定相続人となる人がほかにいないか確認するため、生まれてから亡くなるまで父のすべての戸籍をさかのぼる必要があったんです。この作業がいちばん大変でした。ラッキーなことに、うちはNHKの『ファミリーヒストリー』に出演したことがあったので、NHKのスタッフのかたに教えてもらって父の人生をたどることができました。もう半年以上作業を続けてきて、やっと終わりが見えてきたところです」

 ドラマなどでは、故人が亡くなった後に隠し子が発覚するといった展開はよくある。梅宮家にはその心配はないようだが、ごく一般的な家庭でも生じることがあるという。

「戸籍というのは、結婚や離婚、子供の誕生などで、一般の人でも4~5回は変わっているものです。実は家族の誰も知らなかった婚外子がいて、故人が過去に認知していたら、その子供にも相続の権利がある。戸籍をさかのぼっている途中で発覚するケースは実際にあります。また、故人がどこに不動産を所有しているのかわからないというトラブルもある。その場合は、過去に住んでいた地域を明らかにし、市町村に調査をする必要があります」(椎葉さん)

 生前にそうした問題を整理し、遺言書にしっかり書き留めていれば遺産整理は格段に楽になる。だが、父の死後の手続きに振り回されたアンナは、意外な思いを語る。

「もちろん、遺言書があれば困らずに済むこともあります。ですが、私の場合はなくてよかった。遺言書があったら、淡々と指示に従うだけで、こんなに父のことを考えなかったかもしれないし、おもしろくなかったと思うんです。遺産や遺品の整理をしながら、『パパはどうすれば喜んでくれるだろう』って考える時間は、すごく大変だけど、楽しい時間でもあるんです」(アンナ・以下同)

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