辰夫さんの終の住み処となった真鶴の家も、アンナの心を変えた。
「父とけんかばかりした真鶴の家が私は嫌いで、すぐに売るつもりでした。でも、新型コロナによる外出自粛期間を真鶴の家で過ごしていたら、窓の外には海も山も見えるし、真鶴の自然が心地よくなって。父は、この景色が好きだったんだなってわかったんです。天国で、『おまえ、気づくのが遅いよ』って言っているかもしれませんね」
たとえ遺言書があっても、親と子供の思いが一致しなければ、トラブルは起こってしまう。一方で、梅宮家のように、何も残されていなくても自然と気持ちが寄り添う場合もある。結局のところ、親子の絆がものを言うのかもしれない。
※女性セブン2020年7月9日号