ここで重要なのは、仮に在宅のほうが費用負担の大きい疾患でも、もらえるお金や優遇される制度をフルに活用すれば十分に出費を抑えられるということだ。
「高額療養費制度」を利用すれば、当面払うお金は大きくても後から払い戻される。「限度額適用認定証」を提出すれば、上限額までの支払いで済む。
その上で、在宅医療を担う内科医の中村洋一氏(中村診療所所長)は、「在宅医療のメリットとデメリットをしっかり把握しましょう」とアドバイスする。
「メリットは、住み慣れた自宅で家族、友人や近所との付き合いを維持しながら療養できることです。一方で容体が急変した時のリスクは入院より大きく、病院と比べて、十分なサービスが受けられない怖れもあります」
本人の意思、コスト、リスクなどを組み合わせた総合的な判断をしたい。
※週刊ポスト2020年7月10・17日号