使う額より使い方に注目
Sさん(40代男性/塾講師)も、かなり多めにお小遣いをもらえる家庭だったが、こちらはある意味、非常に厳格だった。
「ずっとサッカーに打ち込んでいましたが、両親は仕事が忙しくて食事や弁当が用意できないので、毎日3000円もらっていました。そこから昼食、夕食、ジュースなどに使い、その余りがいわゆるお小遣い。毎日かなり余りますが、1円単位で使い途を報告するのがルールでした。親は商売をやっていたので、使う額より使い方に関心があったようですが、金遣いは正直、荒い方だと思います」(Sさん)
Tさん(40代男性/編集)の場合、お小遣い額は平均レベルだったが、あることに関しては“青天井”だった。
「お小遣いは中学生で月額2000~3000円、高校生で5000円ぐらいという平凡な額でしたが、コンサートに行ったり、スポーツの試合を見に行ったりする時は、定期試験の前でもない限り、お金を出してくれました。大人になってから親にその意図を聞くと、『その時しか見られないものだから』とのことで、とても感謝しています」(Tさん)
労働の対価、前借りは利息つき…
一方で、ほとんど甘やかされなかった人もいる。Hさん(30代男性/銀行)は“労働の対価”としてお小遣いを手にしていた。
「ウチの親は『働かざる者食うべからず』が口癖。決まった額のお小遣いは無く、家事を手伝うとその都度、お金がもらえるルールでした。私がよくやったのは風呂掃除。我が家のお風呂は天井に水滴が溜まってカビになってしまうため、それを拭くのが日課で、1回100円でした。自主的に手伝いをしたり、丁寧にやったりすると“ボーナス”が付くので、スーパーで特売品を探したり、父親の車を洗ったりしていました」(Hさん)