東方航空の商品が業界に与えたインパクトは大きく、華夏航空、海南航空などが金額、条件は少し違うものの、同様のコンセプトである乗り放題商品を売り出している。業界を挙げての激しい競争が、新型コロナで冷え切った需要の掘り起こしに繋がる可能性がありそうだ。
もし日本でもJALやANAが年内週末乗り放題で5万円といった商品を売り出したとしたら、消費者は飛びつくのではなかろうか。人が動けば地方経済も潤うことになる。
Go To Travelキャンペーンにおける政府補助と絡めれば、航空会社の救済ばかりか、全国の小売、レストラン、エンタメ業界に対する強力な支援に繋がる。もちろん航空会社にとっては赤字拡大につながる可能性もあるが、その場合は国が航空会社を支援すればよいのではないか。官民一体となってこの難局を乗り越えるべきだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。