「ある程度の人数の飲み会になると、いろんな人と話そうとかいう目的で、席を移動する人が出てくるじゃないですか。あれが、とにかく馴染めない。そうでなくても、トイレから帰ってくると、僕が座っていた席に、誰かが座っているということがよくあります。だからといって、他の盛り上がっている席に割り込むのも気が進まない。行く場所がなくなって、一人寂しくスマホを眺めていることになります」(Bさん)
席移動は行き場をなくすだけでなく、自分だけ席に取り残されるリスクもあるとBさんは声を大にする。
「以前、僕がトイレに行って戻ってきたら、自席の近くにいた人が誰もいなくなっていたことがありました。僕の両隣の人がどこか別の席に行ってしまい、いつの間にか1人ぼっちに。僕だけ無人島に取り残された感じでした。相当辛かったです」(Bさん)
Cさん(30代女性/通信事務)は、リアルでの飲み会はほとんどの場合、「悪口大会」になりがちなうえ、頻繁に「世代間ギャップ」も起きて、面倒なものだったと言う。
「適当な相槌を打っていたら、そこで私も悪口を言う側に加担したみたいになって、後々面倒な事態になりました。それでなくても、『そうだよな?』『お前もそう思うような?』みたいに、同意を求めてくる威圧的な雰囲気も苦手でした。
あるときは、50代の女性上司が、20代の女性社員がそろっているところで、『みんな彼氏はいるの?』と聞いてきたため、1人ずつ言う羽目になって、本当に地獄でした。そのうちの1人が『そういうことに興味がないんです』って言ったら、『もったいない!』とか『可愛いのになんで?』とか、女性同士といえど、普通にセクハラですよね。場が凍りました。
気を遣って話をふったんでしょうけど、時代とともに価値観も変わっているということに気がついてほしい。別に彼氏がいて当たり前じゃないし、みんながみんな彼氏を欲しいと思っているわけではないでしょうに。飲んで仲良くなる“飲みニケーション”なんて幻想です。仲良くなりたい人とは個別に飲みに行く。順番が逆なんです」(Cさん)
いわゆる“飲みニケーション”は、日本の会社員の独特なコミュニケーションと言われてきたが、コロナ禍を契機にそれも変わっていくのだろうか。