吉田みく「誰にだって言い分があります」

レジ袋派vsエコバッグ派 パート主婦仲間で価値観の対立も

 美奈子さんの仕事は商品の検品作業。決して高い時給とは言えず、常に節約を意識している人たちが多いという。そのため、レジ袋に2〜5円程度を払うことに対して“もったいない”という意見を持っている人が大半を占めているらしい。レジ袋有料化のニュースが浸透し始めた頃から、エコバッグを持ち歩いている人もそれなりにいたそうだ。

 初めてエコバッグをめぐるプチバトルが勃発したのはある日のランチタイムだった。美奈子さんがコンビニのレジ袋を持っていたら、パート仲間から「袋買ったの? もったいないよ〜」との一言が飛んできたという。

 美奈子さんが「食事のごみをそのまま捨てられるし便利ですよ」と答えたら、渋い顔でジロっと睨まれ、「自分の事ばっかりだね」と言われたそうだ。たしかに環境問題の観点から見れば、パート仲間のほうが正しいのかもしれない。しかし、美奈子さんなりの持論もある。

 次に問題が起きたのが、エコバッグのお披露目会だった。パート仲間が持っていたのは、高級スーパーのエコバッグ、人気メーカーのエコバッグ、シンプルでオシャレなエコバッグ……と実にさまざま。ランチタイムは、「そのエコバッグかわいいわね!」や、「○○のエコバッグは丈夫でいいわよね」といった会話ばかり。

 エコバッグを持っていなかった美奈子さんは、少し窮屈に感じていた。そんな美奈子さんに、年長者のパート仲間はこう話しかけてきた。

「エコバッグって100円ショップでも売ってるの、知ってる?」

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