その方法は驚くほど簡単だ。まずは、「入金口座」「貯蓄口座」「緊急予備資金口座」の3つの銀行口座を作る。給与が入金される口座を入金口座とし、毎月の給与が入金された後、そこから貯蓄口座と緊急予備資金口座に定額を振り分けるだけだ。
「貯蓄口座と緊急予備資金口座に設定額を振り分けた後、入金口座に残ったお金を、生活費としてやりくりすることになります。無理のない生活をするには、預貯金に回すお金は給与の20%が目安といわれています。たとえば、専業主婦家庭で夫の手取りが30万円なら、貯蓄口座と緊急予備資金口座に合計6万円を振り分け、残った24万円を生活費とするといいでしょう」
この20%はあくまでも目安。給与や家庭環境、家族の年齢によっても異なるため、数年おきに口座に振り分ける額は見直すとよいそうだ。
目標に合わせて口座にお金を移すだけ
次に、「貯蓄口座」の中身について見てみよう。
「ここに入れるお金は、教育費や老後資金、旅行資金といった“将来使う目的がはっきりしているもの”です。目的以外で、この口座のお金には手を付けないようにしましょう。管理が苦にならないのであれば、用途ごとにさらに口座を分けてもよいでしょう」
貯蓄口座を賢く活用するためのポイントは、「いつまでにいくら貯めるのか」を決めておくことだという。
「金額や達成時期などの目標を設定すれば、おのずと毎月の入金額も定まります。最初に無理のない目標設定さえしておけば、後はそれに合わせた額を毎回口座に移すだけで済むんです」
「緊急予備資金口座」は、普段の生活費以外に急な出費が必要になったときのためのお金を入れておく口座だ。
「たとえば、冷蔵庫が壊れた、子供が大けがをした、親戚が亡くなったなど、急にまとまったお金が必要になる機会は意外と多いもの。そうしたとき、教育費や老後資金として貯めていたお金を使ってしまうと、いっこうに貯金の目標額は達成できません。緊急予備資金口座を持っておくことで、貯蓄口座に手を付けずに貯蓄を進めることができるでしょう」