新型コロナウイルスの影響で日本経済は落ち込み、明るい兆しはいっこうに見えない。日本生命保険のアンケートによると、今夏のボーナスが減った人の割合は約30%と昨年に比べて倍増した。平均支給額は昨年より5万6000円減ったという。40代の主婦・石井綾子さん(仮名)はこう嘆く。
「夫の収入は上がらないどころか、夏のボーナスは大幅に減額されました。貯蓄をきちんと管理して少しでも増やしたいんですが、面倒くさがりなので家計簿は続いたためしがありません。そもそも“節約しなきゃ”と焦ってケチケチした気持ちになるのも好きじゃないんです」
今後もさらなる業績悪化によってボーナスが減額される人は増えるだろう。一気に収入が減ったことで、「住宅ローンを支払えなくなった」という家庭も続出している。
家計のピンチを救うはずの定額給付金はなかなか振り込まれず、「やっぱり、もしものときのために普段からお金を貯めておくべきだった」と、貯蓄の必要性を再認識した人も多いのではないだろうか。しかし、冒頭の石井さんのように「簡単に貯蓄ができれば苦労はしない」と嘆く人も少なくないだろう。
貯蓄は“才能”がないとできないのだろうか。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんは、そんな悩みを真っ向から否定する。
「ポイントさえしっかりと押さえていれば、貯蓄は誰でもできるようになります」
お金が貯められないと悩む人には、共通した特徴がある。それは「自分のお金の流れを理解できていない」こと。節約が苦手な人の多くは、“なんとなく管理した気になって、気づけばお金がなくなっていく”状態だという。
そのため、お金を貯めるには「資産の把握」が欠かせない。家計簿をつけて収支を管理することが有効といわれるが、細かく家計簿をつけ続けるのは意外とハードルが高い。
「そんな人におすすめなのが、『銀行口座を分ける』という資産管理術です。家計簿をつけることなく、収支を“見える化”することができる。そのうえ、細かい作業も必要ないので、面倒くさがりの人でも無理なく続けられます」(横川さん・以下同)