企業概要
ギフティ(4449)は、メールやLINEなどで送れるeギフトサービスを手掛ける企業です。
eギフトとは、ギフトを電子チケット化(URL化)して、LINEやメールなどインターネットで送ることができるもの。コンビニの商品やコーヒーチェーンのドリンクチケット、アイスクリームなど、低価格でカジュアルなものを中心に、最近では数万円の旅行チケットまで商品ラインナップが広がっています。
同社は2010年の設立後、2011年に「ありがとう」の気持ちにギフトを添えて贈ることができるサービス「giftee」をスタートし、2014年にSaaS型システム「eGift System」、2016年に法人向けの「giftee for Business」、および自治体向けの「Welcome! STAMP」など、事業を拡大させながら成長を遂げています。
特に法人向けサービスを開始して以降は売上高は+50%の成長を連発、利益面では先行投資を継続しながら黒字化→倍増のペースとなってきています。
展開するサービスは、eギフトを購入して贈る個人向けの「giftee」、法人がキャンペーンやアンケート謝礼としてeギフトを購入・送付できる「giftee for Business」、eギフト発行企業(飲食店や小売店など)がeギフトの生成、流通、販売、決済、実績管理を行うことができるSaaS型システムを提供する「eGift System」、そしてプレミアム商品券など各種地域通貨を電子化し流通させる、自治体向けソリューション“Welcome! STAMP”による「地域通貨」サービスの4つ。
同社はこの4つのサービスを「eギフトプラットフォーム事業」と定義して、eギフトの生成から流通・販売までワンストップで提供しています。eギフトをワンストップ提供できる企業は同社のみで、eギフト市場でのポジションは確固たるものと言えます。
注目ポイント
2020年12月期における第1四半期は、売上高は減少しましたが、KPIが大きく成長していることから、本質的には好調に推移したと言っていいと思います。
特に「eGift System」導入企業数の増加と、「giftee for Business」の利用企業が増加しており、取引オーダーが個人向けとは桁違いのBtoBビジネスが高い成長を維持しているのが注目ポイントです。
eギフトは、企業のマーケティング利用で確実に市場を伸ばしており、今後も導入企業数の増加が見込まれます。そのような成長市場において同社は、eギフトが発行され購入される度に発行手数料と販売手数料を得て、システム利用料と従量課金収入を得ることができる収益モデルを確立しています。同社が負担する原価は主に人件費であることから、導入企業が増えてもコストはある程度に収まるコスト構造となっているので、将来的な利益成長はペースを上げていくことが期待できると思います。
事業拡大に向けた投資を強化しているにもかかわらず、すでに利益倍増の計画と、見通しは明るいファンダメンタルを持っている企業と思います。
財務状況も盤石で、自己資本比率86.1%、有利子負債ゼロとなっています。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。