高齢者の走行マナーや危険運転について、「思うところが多い」というのは、東京都に住むBさん(63歳女性/パート勤務)だ。
「同世代より、若い人のマナーの方がいいと思いますよ。高齢者、とくに男性のマナーにはイライラすることが多いですから。この前なんて、歩いている私の後方から追い抜いて、肩をかすめていきました。それほどスピードはなかったからまだよかったものの……怖かったです」(Bさん)
ノロノロ運転が逆に危ない
特に高齢者の場合、ゆっくり走行する“ノロノロ運転”を前提としたマナーの悪さが厄介なのだという。
「お店や反対側の通りなど、あちこち見ながら自転車を乗っている人も多く、非常に危ない。先日も70代半ばくらいの男性がよそ見をしながら歩道を走っていました。みんな避けてくれるから、事故が起こらないだけ。横断歩道でも斜め横断してくるので、歩行者が気を遣っている感じです。子ども連れの母親とぶつかりかけている場面に出くわしたことがありますが、悪びれる様子もなく、むしろ男性側が舌打ちしていました。もう、自転車も免許制にしたほうがいいんじゃないでしょうか」(Bさん)
一方で、自ら車の運転だけでなく、自転車の運転も控えるつもりだというのが東京都在住のCさん(72歳女性/無職)だ。「歳には勝てない」とショックを受けた出来事からだった。
「車の運転はすでにほとんどしていなかったので、やめるのは当然の成り行きでしたが、自転車をやめようと思うのは、自分でも意外でした。買い物や子育てで30、40代には日常的に乗ってきたものでしたから。頻度は少なくなっても50代、60代前半くらいまでは普通に乗っていました。
でも、一時期腰を少し痛めてしまって乗らない時期が5年ほどあり、久しぶりに乗ってみたら、判断能力が鈍っていることに気づきました。強く急ブレーキをかけて、反動でお尻が上がり、前のめりに転びそうになることが何度もあったんです。それで、『ああ、もうこれはダメだな』って。