7月9日、ネットのトレンドワード上位に「ポテトサラダ」が入った。発端は8日に投稿された一つのツイートだった。その内容は、娘を連れたある母親がスーパーでポテトサラダを手にしていたところ、高齢男性から「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言われた場面を目撃したというもの。ツイート主は「大丈夫ですよ」と母親に対して念じ2パックを手に取ったという。
このツイートを機に、ネットでは「ポテサラ論争」が巻き起こり、高齢男性の上から目線の発言を非難するとともに、ポテトサラダを作るのがいかに大変かを力説する声が溢れた。実際にポテトサラダを作るのはどれぐらい大変なのか。7月27日に新刊『意識の低い自炊のすすめ 巣ごもり時代の命と家計を守るために』(星海社新書)を上梓する予定の、ネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。
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いやぁ~、この高齢男性、料理したことあるんですかね? この発言って徹底的に「家父長制的」でイヤな発言ですよね。彼の発言の真意にはこんなものがあると思います。
・スーパーの惣菜を買うなんて手抜きだ、このふしだらな女め!
・母親だったら子供には手作りのちゃんとしたものを食べさせろ!
・それが愛情ってものだし、その子が不良にならない道筋なんだよ!
・オレの妻はオレに対して誠心誠意尽くし、手づくりの料理を1日3回用意しているぞ!
・よって貴様はふしだらの塊である!
・たかがポテトサラダだろ! サラダなんてちゃっちゃっと作れるだろ!
……これが大いに反発を呼んだわけですが、高齢男性のゴーマンさに加え、「ポテトサラダ作りの大変さを知らない……」という経験者からの嘆きが合わさったことで、ここまでの反響を呼んだのでしょう。
7月9日、この件を取り上げた報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)に私はレギュラーコメンテーターとして出演しましたが、そこで意見を求められ、こう述べました。