相続にかかる“ルール”が大きく変わる。2018年の民法(相続法)改正を受け、新制度が順次施行されてきたが、今年7月にそれらが出揃った。新時代の「親子のお金」の大問題と、どう向き合えばいいのか。遠出が難しい異例の盆休みは、親子でじっくり話し合う機会にもなる。
そもそも誰が亡くなると、誰が相続人になるのかを知る必要がある。民法が定める相続人を「法定相続人」と呼ぶ。
相続人には優先順位があり、最も優先的に相続の権利が認められるのは「配偶者」だ(別掲図1参照)。夢相続代表取締役で相続実務士の曽根恵子氏が解説する。
「配偶者がいれば、誰よりも優先して法定相続人になります。ただし内縁関係や、離婚して婚姻関係を解消した元妻や元夫の場合はなれません」
配偶者以外の法定相続人については、「相続順位」が定められている。第1順位になるのは、被相続人の「子供」である。
「養子や認知した非嫡出子も第1順位の相続人として認定されます。離婚した配偶者は相続人になれませんが、元夫や元妻との間に生まれた子供は第1順位の相続人です。一方で再婚した相手の連れ子や、認知されていない非嫡出子には相続の権利がありません。戸籍に記載されていることが条件です」(前出・曽根氏)
テレビドラマなどで被相続人の死後に隠し子が突然現われて家族が大混乱に陥るのは、第1順位である隠し子を家族が知らぬうちに認知しているケースだ。