ちなみに配偶者と子供がいる場合は両者が相続人となり、配偶者がおらず子供がいる場合は子供だけが相続人になる。
子供など第1順位にあたる人がいない場合に相続人となる第2順位は被相続人の親であり、さらに第3順位になるのは被相続人の兄弟姉妹や甥・姪である。
「甥・姪より下の世代や、兄弟姉妹の配偶者には相続の権利がありません」(前出・曽根氏)
なお、子や孫など被相続人より後の世代の直系の血族を「直系卑属」、父母や祖父母など被相続人より前の世代の直系の血族を「直系尊属」と呼ぶ。また兄弟姉妹や甥・姪は「傍系の血族」だ。
法が認める相続人は、家族によって異なる。それが相続について話し合う“基本メンバー”なのである。
誰にどれだけ「権利」がある?
相続の権利を持つ人が先に亡くなっている場合はどうなるのか。
「第1順位の子供が親より先に亡くなったり、遺言書の偽造などを行なって相続の権利を失った場合、孫が代わりに相続人になります。このように、相続の権利を世代を超えて引き継ぐことを『代襲相続』と言います(別掲ルール1)」(前出・曽根氏)
相続人である兄が亡くなって、その子である甥・姪4人が代襲相続する──といった具合に、“相続人が増える”という結果をもたらし、権利関係を複雑にすることがあるので、要注意だ。
遺産の分配にもルールがあり、配偶者が最大の権利を持つ(別掲ルール2)。
「相続人が配偶者しかいない場合、すべての財産が配偶者に渡ります。配偶者と子供の場合は配偶者が2分の1で、残りを子供が均等に分けます。例えば子供が1人なら配偶者と同じ2分の1で、2人なら4分の1ずつとなります」(前出・曽根氏)