「短期的な目標は、まだわかるんです。いつまでに何をどのくらいする、みたいな。でもそれとは別の『キャリアプラン』になると、正直何も書けません。キャリア面談用のシートがあるんですが、キャリアプランを書くための大きな欄に困り果てました。結局どうがんばっても言葉が出てこず、『なるべく働き続けたい』という一行だけを書いて出したら、チームリーダーから呼び出しをくらい、書き直しを命じられました」(Bさん)
Bさんが「それ以上特にない」という一点張りをしたため、チームリーダーはお手上げ状態。勝手に文章を足して部長に提出していたという。
「新入社員の頃は、広報部に行って、何をしたい……といったことは一生懸命書いていましたよ。でも、これまでの経験上、どこの部署に行って何をしたい、という希望を書いたところで、そこに異動できるわけじゃない。だったら書くだけ無駄だし、来年会社にいるとも限らない。
あとは私が女性だからでしょうが、キャリアに紐付けるように、結婚のことも探られます。今すぐの予定はありませんが、しないつもりもない。もしかしたらずっと独身のことだって大いに有り得る。仮に私が結婚して出産し、育休などをとったら仕事の采配が変わる、みたいな会社の都合はわからなくもありませんが、そんなこと今聞かれても……。キャリア的なことって、そんなにプランニングしなきゃだめでしょうか?」(Bさん)
一方で、せっかく作ったキャリアプランが否定されるケースもあるようだ。都内私立大を卒業し、メーカーに入社した20代の男性会社員・Cさんだ。
「一度、キャリア面談で『社長になりたい』と言ったら、『お前には無理』『能力を見つめ直せ』と、猛烈にダメ出しされました。じゃあ聞かないで欲しいです。無理や能力が足りないというのであれば、どういう部分を僕が磨けばいいのか、指南してくれるのが上の人の仕事じゃないんでしょうか?」(Cさん)
そんな健気で上昇志向のCさんだが、会社の方針は残酷なものだった。