家賃も破格です。ワンルーム・1K・1DKで7.58万円(ライフルホームズ調べ。7月29日時点)は、池袋から2駅としては驚異的。物件も多く、探せばかなり安い物件も見つかります。居酒屋、パチンコ、ファーストフード、ラーメン店など、一人暮らしにピッタリですが、風紀が乱れたゾーンはなく、ファミリーや女性でもまったく問題ありません。
ただ、見逃せない重要な問題があります。それは駅前の再開発です。西口には地上約150mにそびえるタワマンが建設されることになっており、完成予定は2024年。さらに、現在地上を走る埼京線の高架化が決まっており、こちらは完成予定が2030年です。つまりこれから当分の間、駅周辺はギッコンバッタンと工事が続くということです。
現在は物価が安い街として鳴らす十条ですが、駅前という立地も考慮すれば、タワマンの価格はファミリータイプで7000万~8000万円になる可能性もあると思います。そうなれば当然、セレブ住民向けの高級路線の店が登場し、街の雰囲気も変わっていくでしょう。店側としても、より多くお金を落としてくれる人の方が大事でしょうから。
再開発や高架化は、街の利便性向上や防災の面から致し方ありませんが、“昭和の雰囲気”がどんどんなくなっていくかもしれません。これから先、再開発完了後も「物価が安い街」をキープできるかどうか、注視して見ていきたいところです。