梨花さん曰く、子供の幼稚園入園を機にパートを始めるママ友は多いという。しかし、そこにいたすべての家庭が、まず父母・義父母のサポートありきで働きに出るというものだった。
「“子供の急な体調不良みたいな時には、ジジババが助けてくれるの”って。私には頼れる人がいないので、羨ましい限りです」
「子供を両親に会わせたくない」
片岡さん夫妻にはどんな事情があるのか、一歩踏み込んで聞いてみた。梨花さんの実家の両親は健在だが、もともと過干渉気味で、かといって梨花さんの話を聞いてくれることはほとんどなく、梨花さんは大学入学までの進路を全て両親に決められて生きてきたそうだ。何を言っても言いくるめられてしまうので、無力感を味わってきたという。ついには結婚相手にまで口出ししてきたため、梨花さんは逃げるように実家を出た。
「育児のことを私の両親に任せることはできません。子供に私と同じ思いはさせたくない。負の連鎖は私が断ち切ります」
また、夫のほうは、両親から“あんたはダメね”や“どうせ失敗する”などのネガティブワードを言われ続けて育ってきた。そのため自己肯定感が低く、自信を無くしてしまうことが多いという。
「夫は子供を義父母に会わせたくないと言っています。それでも、たまに“これでいいのかな”って悩むことも少なくありません」
片岡さん夫妻は、子供が祖父母との関わりがないまま人生を歩んでいくことに、不安を感じることがあるようだった。