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空からの「絶景」を楽しめる飛行機と座席の選び方 夏はシンデレラ城も

 では、具体的にはどの便のどの席に座ると素晴らしい景色を楽しめるのか。筆者が好きなのは、四国や九州、沖縄から羽田空港に着陸する便だ。伊豆半島を横切って大島を越え、房総半島の太平洋側に来た時、その時の風向きで進路が分かれる。北からの風が吹いていれば、飛行機は木更津上空に向かい、東京湾アクアラインの「海ほたる」を右手に見て、右に旋回しながら滑走路に入っていく。一方、南からの風が吹いている場合、飛行機は東京湾の縁を反時計周りにかすめるように左に旋回し、船橋市や浦安市を右手に見て着陸態勢に入る。

 この南風の時、飛行機の右の窓側席に座っていれば、間違いなく東京ディズニーランドのシンデレラ城を見ることが出来る。筆者も何度か経験したが、シンデレラ城だけでなく、スプラッシュマウンテンなどのさまざまなアトラクションも綺麗に見え、まるで「ジオラマ」を見ているようだ。夕方から夜の時間帯ともなれば、ライトアップされたシンデレラ城が幻想的に浮かび上がり、花火が打ち上がる時間帯なら一層の絶景が眺められるだろう。

 この景色が見られるチャンスは夏が多い。「卓越風」といって、東京では春・秋・冬は北北西の風が多いのに対し、5月から8月の4か月間だけ南西の風が吹く頻度が多くなるからだ。

 飛行機がどのルートを通るかをより確実に知りたい場合は、スマホに「mi Flight Radar」などのアプリをダウンロードすると便利だ。無料ではないが、日本各地の飛行機の進路などが確認できる。東京湾上空を飛ぶ飛行機の進路を見れば、「今日は東京ディズニーランドの南を通るコースだ」と簡単に分かるだろう。飛行機に乗る際、同じ運賃を払うなら普段は見れない絶景が見られる“お得”な便と席を選んで欲しい。

【プロフィール】たんげ・やすし/気象予報士。日本気象予報士会東京支部長。著書に『気候で読む日本史』(日経ビジネス人文庫)、『気候文明史』(日本経済新聞出版)、他。

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