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コロナで国債発行額が過去最大に 現実味増す1946年以来の「預金封鎖」

1946年の預金封鎖で新円に替える人々(共同通信社)

1946年の預金封鎖で新円に替える人々(共同通信社)

 さらに日経新聞も6月24日配信の電子版で〈財産税は回避できるか 確率ほぼゼロでも備えを〉と題した記事を掲載し、日本の財政破綻の可能性に言及。そして、執筆者の前田昌孝・編集委員は〈可能性が小さくとも備えは肝要だ〉〈強制措置を念頭に置く必要がある〉と続けた。法政大学大学院の真壁昭夫教授(行動経済学・金融財政論)が解説する。

「日経が〈強制措置〉と書いて警鐘を鳴らしたものこそ、預金封鎖の可能性です。国の財政破綻を回避するには、税収を増やすか歳出を減らすことが必要ですが、その両方ともできないなら国民から強制的に徴収するしかない。

 日本のGDPはこの20年増えていないため、経済成長による税収増は難しく、増税による税収増も支持を得られないでしょう。歳出減といっても社会保障費は削減しようがない。

 そうした中で、今年度の国債の新規発行額は、新型コロナ禍で過去最大の約60兆円にのぼりました。このまま国債を乱発し続ければ、遠くない将来に預金封鎖という“劇薬”が現実味を増してくる可能性がある」

 コロナ禍では日々の生活を守ることが最重要視されがちだが、「預金=家計を守る」とは必ずしもならないことを念頭に置いておくべきだ。

※週刊ポスト2020年8月28日

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