同時に被相続人の全財産を把握しておきたい。
「預貯金、不動産、有価証券、負債などをチェックして、財産目録を作成します。その際、不動産の登記簿を取り寄せ、被相続人名義かどうかを確認しておくことが大切。祖父名義のままだった場合などは、名義変更の手続きを進めます」(前出・五十嵐氏)
預貯金などの金融資産が多ければ、配偶者や子供に生前贈与を進めると相続税対策になる。
「一人あたり年間110万円までの贈与が非課税になる『暦年贈与』は節税メリットが大きい。この贈与をする際は、本人と贈与された人の署名捺印がある贈与契約書を毎年作成しておけば、税務署に認定されやすくなります」(前出・五十嵐氏)
ただし、時期には注意したい。
「贈与者が亡くなる前3年以内の贈与は相続財産とみなされ、相続税の課税対象となります。このため、生前贈与を始めるならできるだけ早い時期が望ましい」(前出・曽根氏)
死亡直後は、死亡を確認した医師から死亡診断書を受け取り、死後7日以内に死亡届や火葬許可申請書などを提出する。弔いに関する手続きは、葬儀社が代行するケースが一般的だ。
「その後14日以内に、故人が加入していた健康保険窓口への健康保険の資格喪失届、年金事務所への年金受給権者死亡届など、健保・保険関係の手続きをします」(前出・曽根氏)
年金関連では、年金受給権者死亡届に加え、未支給年金請求書も提出を。両方とも国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内に行なう必要がある
※週刊ポスト2020年8月28日