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【日本株週間見通し】日経平均は手掛かり難も底堅いか

 20日のNYダウは、アップルが上場来高値を更新するなどハイテク株に幅広く買いが入り、大引けにかけて上昇に転じ反発した。ナスダック総合指数も反発して2日ぶりに過去最高値を更新した。この米国株高を好感して21日の日経平均は反発してスタートすると朝方には前日比254.81円高まで上げ幅を広げた。しかし、週末を控えて一段の上値追いの動きは乏しく、円相場が強含みで推移していることもありその後は伸び悩んだ。日経平均は前日比39.68円高の22920.30円で大引けた。

 今週の日経平均は、上値の重さと手掛かり難が意識されつつも堅調な展開が見込まれる。米国の経済指標は強弱感が対立しており、日米市場ともに方向感がつかみにくくなっている。27日に米4-6月期GDP改定値とパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長発言、28日には米7月個人所得・個人支出が予定されているが、為替の円高につながることになると、日経平均は一時的にせよ、調整色を強めそうだ。

 また、8月18日の日銀のETF(上場投資信託)1日当たり買い入れ額は、803億円と前回8月5日買い入れの1003億円からダウンしていることも気掛かりだ。停滞する米追加財政政策の協議、実体経済の重石となる米中の対立、第2波とも懸念される日本と欧州での新型コロナウイルスの感染拡大と警戒材料は引き続き横たわっている。

 ただ、日経平均の日足チャートを見ると、19日に75日移動平均線が200日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスを示現し、これでチャートは長期の200日移動平均線を最下に75日移動平均線、25日移動平均線、そして5日移動平均線の順で並んで、テクニカル的には右肩上がりとなる理想的な形となっている。

 また、夏休みモードとなっていた海外勢が市場に戻ってくることが見込まれ、減退していた市場エネルギーも回復してくることが期待され、大幅な調整は想定しにくい。

 一方、物色面では新たな流れが芽生えつつある。米国では5G(第五世代移動通信システム)規格対応の新型アイフォーンへの期待が高まる携帯端末のアップルが米国企業で初めて時価総額2兆ドル突破、米EV(電気自動車)メーカーであるテスラの株価は日中ベースの最高値更新が続き、米小売り最大手の米ウォルマートの時価総額を上回るなどシンボリックな動きが出てきている。

 一方、国内では値がさハイテク株、大型バリュー(割安)株の循環物色が一巡し、コロナ禍でも事業成長が期待される任天堂<7974>、エムスリー<2413>、Zホールディングス<4689>などグロース(成長)株の上昇が目立ってきた。9月下旬に登場するIPO(新規上場)の発表が活発化してきたことで、マザーズ・ジャスダックの新興市場銘柄も直近IPO銘柄から物色にうねりが出てきており、これが継続することが期待される。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、26日に7月企業向けサービス価格指数、27日に6月全産業活動指数がそれぞれ発表される。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、24日に米7月シカゴ連銀全米活動指数、米共和党全国大会(27日まで、ノースカロライナ州シャーロット)、25日に米6月FHFA住宅価格指数、米6月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米8月CB消費者信頼感指数、27日に米4-6月期GDP改定値、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長発言、米7月中古住宅販売仮契約、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」をオンライン開催(28日まで)、28日に米7月個人所得・個人支出がそれぞれ発表、開催される予定だ。

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