一方、揉め事は避けたいからと、不動産を共有名義にして「塩漬け」にするのは最悪だ。
「何をするにも共有名義人の同意が必要になります。しかも名義人が亡くなったら、権利が配偶者や子供に移り、どんどん相続人が増えて、収拾がつかなくなります(別掲図E参照)」(前出・相原氏)
塩漬けにするなら思い切って売却し、そこで得た現金を相続人全員で分割する「換価分割」をするほうがベターだ。
「注意すべきは売り急がないこと。相続税の申告は相続発生から10か月以内なので、換価分割を急ぐあまり市場価値より安く売って損をするケースもあります」(前出・植崎氏)
※週刊ポスト2020年9月4日号