コロナ禍の8月、ある出来事がツイッターで話題になった。2人の子育てに励む女性が、その日はとても疲れており、晩ご飯を冷凍餃子にしたところ、夫が「手抜き」と言い放ったというのだ。
在宅勤務や自粛で夫や子供が家にいる時間が増え、妻の家事負担が増えただけでもかなりのストレスなのに、さらにこんなことまで言われたら、倍返しのひとつもしたくなるのが人情だろう。
「冷凍餃子うんぬんではなく、そもそも妻がすべての家事・育児・介護をひとりで背負う必要はありません。考え違いをしている夫が多すぎます」と言うのは、ナチュラルライフ研究家の佐光紀子さんだ。
まずは家庭内アウトソーシングを
「そもそも家事とは、家族全員が快適に過ごし、幸せに生活するためにするもの。妻がひとりでがんばってストレスをため、その結果、夫婦仲を悪化させたり、子供を虐待するようになっては本末転倒。まずは、妻こそ幸せになるべき。そのために使えるものは使った方がいい」(佐光さん)
とはいえ、こういう意見もある。寝たきりの義母をひとりで介護する都内在住のTさん(52才)は、育児とパートもこなす忙しさから、週1回だけ家事や介護の代行を頼んだ。すると義母が「他人に世話をされるのはイヤ」と反発。仕方なく、また自分で介護をすることにした。
「介護を外部サービスに頼ると金銭的な負担もありますし、何より本人が嫌がったら、あきらめるしかありません」と肩を落とす。確かに外部に頼めば費用もかかるが、それでもがまんすべきではないと、佐光さんは力説する。
「お金を払って外部の人にアウトソーシングするのに抵抗がある人はまず、“家庭内アウトソーシング”を試してほしい」(佐光さん)