何かとトラブルを生んでしまうのが、嫁と姑の難しい関係だ。物理的に距離を置けばいい話なのかもしれないが、二世帯住宅に住んでいると、そう簡単ではない。距離が近いがゆえに姑との確執が生まれた43才パート勤務の女性が、自身のエピソードを明かす。
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二世帯住宅に同居する姑は、社会人経験がないまま家庭に入ったせいか、空気が読めないというか、天然というか、思ったことをすべて口にしてしまうんです。
たとえば、娘が生まれたときのこと。授乳の最中に勝手に部屋に入ってきて、ジロジロとその様子を眺めたあげく、「ずいぶん小さくて貧相なおっぱいだね。赤ちゃんもマズそうに飲んでるよ」などと言ってきたんです。また、高校生になった娘が体形を気にしていると、「カエルの子はカエル、デブの子はデブ。ブスは何をしたって変わらないよ」と言ったり……。
それだけならまだ、聞き流せばいいのですが、困るのは、勝手に私の靴やバッグ、洋服を持って行って使うこと。何度お願いしてもやめてくれません。
夫に相談しても、「ちょっとくらい貸してあげろよ、ケチだな」と、まるで私が悪者。貸すのはいいですよ。姑の場合、借りるとも言わずに勝手に持って行ったあげく、汚したり壊したりして返してくるから困るんです。高価なアクセサリーに関しては、一度貸したらしつこくくり返し催促するまで返ってきません。それはまるで、『ドラえもん』に出てくるジャイアンのよう……。
夫の言葉に怒り心頭。私がケチでないことを見せつけてやろうと、家族みんなが揃っているときに、姑が前から欲しがっていたブランド物のバッグを、これ見よがしにプレゼントしたんです。
「あんたもたまには気が利くじゃない」とまんざらでもない姑に私はほくそ笑みました。だって、そのバッグの購入費用、姑がたんすに入れたまま忘れている着物や宝飾品を売ってつくったんですから。たくさんあっても着ない着物なんて整理した方が、終活にもなってみ~んな幸せだと思うんですよね~。
※女性セブン2020年9月17日号