映画も同じで、厄介です。映画好きだと言うと、上映中の最新映画の話をされてまったく噛み合わないことがありました。家でサブスクを利用して映画鑑賞するのが好きなだけなのに、新作をいち早く見ることが映画好きの条件かのように扱われます」(Bさん)
そんなBさんは、趣味を語るうえで、人に言えるような趣味を偽装することも大切なのではないか、と処世術を明かす。
「正直、今、人に言えるほどの趣味はありません。SNSを回遊しながら時折YouTubeを見て、安いお酒を飲むのが好きですが、それを趣味と言っていいのか悩ましい。でも、『ない』と答えると話が終わってしまうし、相手も話を広げようとしてふってくれているわけなので、何か答えなくちゃいけない、という気になる。
そこで、最近は『学生時代にしていたバドミントンをたまにするくらい』ということにしています。実際はまったくしていませんが、学生時代にしていたのは事実ですし、ごくたまに経験者がいると、それはそれで話ができるのでラッキーだと思うことにしています」(Bさん)
一方で趣味を作ろうとしたが、挫折した人もいる。30代の男性会社員・Cさんだ。
「趣味がまったくなかったので、どうにか趣味を作ろうとして、ダイビングをやっていた時期があります。でもお金はかかるし、まとまった時間も必要で、やめました。結局、趣味といえるほどハマることもできなかったということです。
趣味探しに疲れて気がついたのですが、そもそも趣味ってわざわざ作るものでもないし、ない人がいてもいいということ。趣味に関する質問は、確かに会話の糸口にはなるのかもしれませんが、もうちょっと聞き方を工夫してほしい。例えば、ピンポイントで『スポーツはしますか?』とか、『漫画読みますか? 読むなら、どんな漫画を読みますか?』とかなら、答えやすいと思います」(Cさん)
知識量やお金のかけ具合が人それぞれゆえに、複雑化する趣味問題。どう答えるべきか、悩ましいと思っている人は案外多そうだ。