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相続大改正の目玉「配偶者居住権」の注意点 相続できる預貯金に影響も

居住権は売却できない

 売却・譲渡できないことにも気をつけたい。

「配偶者居住権は終身の権利であり、妻が亡くなるまで消滅しません。その代わり、売却や譲渡もできず、高齢になった妻が老人ホームなどへの入所を望んでも、居住権を売却して資金を捻出することは不可能です。

 居住権があれば自宅を追い出されるリスクは避けられますが、将来の住み替えなどを考えているなら、居住権の取得は慎重に行ないたい」(前出・曽根氏)

 所有権を持つ子と話し合えば、妻が生きている間に権利を解除できるが、その場合も「注意が必要」と前出の野谷氏。

「無償解除は、妻が権利を子に贈与したとみなされ、贈与税の課税対象になります。どうしてもという場合、所有権者の了解を得れば、自宅を『賃貸』に回すことができます。そうすれば、介護施設などへの入居費用を賃貸収入で賄うことも可能です」

※週刊ポスト2020年9月18・25日号

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