人生100年時代。自分が最期を迎える「終の棲家」は、どのように決めたらよいのだろうか。多くの人はまず住まいを構え、そこを拠点に残りの人生を構築しようと考える。だが、タレントの清水国明(69才)は、「定住」は好きではないと訴える。
「ぼくは『趣味は結婚、特技は離婚』をモットーに4回結婚して、嫁さんを変えるたびに住まいを変えています(笑い)。そのときの年齢、仕事、子供、嫁などいろんなカテゴリーが変化すれば住居は変わっていくもので、住まいを固定するという考えがない。食べ物がなくなれば羊を連れて移動するという遊牧民の生き方です」(清水・以下同)
清水の人生は変化の連続だ。1973年にフォークソングデュオ「あのねのね」で芸能界デビューした後、オートバイレースやアウトドアライフに力を注いだ。私生活では結婚と離婚を繰り返し、2018年に25才年下の一般女性と4度目の結婚をした。
アウトドアライフを愛するだけに、自宅は「手作り」+「自然」が基本となる。
「住まいは自分で造り、これまで全国にログハウスを17棟建てました。ひとりで建てた家もあるし、仲間と建てた家もあります。ぼくの場合は家を持つことが目的ではなく、そこを拠点にどういう生活を展開するのかが大切です。魚釣りやトレッキングをして川や海で遊んだり、地場の物産展をやったりすることが楽しいんです。
ぼくのような人間は、便利な都会では借りてきた猫のような存在です。東京の家で棚を手作りしても『IKEAの方が安い』と言われてしまう。でも、何もない自然の中なら、寒ければ火を起こし、雨が降れば屋根を造り、お腹が空いたら川で魚を捕れる。誰でも何かのエネルギーを持っているけれど、ぼくは自然の中にいると力が湧くんです」