「コロナ不安」で保険に加入する人が増えている。国内最大級の保険選びサイト「保険市場」では、新型コロナ感染拡大が始まった直後から生命保険の申込件数が急増。今年3月は前年同期比180%以上だったという。
ニーズの高まりの一方で、コロナ不況もあって財布のひもはきつくなっている。たしかに月々の保険料支払いの家計への負担は決して軽くない。そんな事情もあって、最近は従来の生保商品よりも、よりリーズナブルで、工夫を凝らした商品が登場している。
たとえば、ベンチャーの保険会社「ジャストインケース」が今年1月に発売した「わりかん保険」は、誰かが亡くなったり、入院したりすると、その人の分の保険金を加入者全員で割り勘にする仕組み。従来の保険が「前払い」なのに対し、保険料を「後払い」にすることで、自分が支払う保険料がどう使われているかを“見える化”した。仮にその月に保険金の支払い対象者がいなければ、保険料はゼロだ。
「保険料がどれぐらいの割合で保険金や運営に使われているのか不透明な商品が多く、消費者の不信感が高まっていました。それが明確になったという点で画期的な商品です」(経済ジャーナリスト)
いまや保険は「何かあったとき」に備えるものではない。最近は加入することで健康意識が高まる新しいタイプの「健康増進型保険」も登場した。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが解説する。
「健康診断結果や運動記録など、加入者が健康に気を配る取り組みが保険料に反映される仕組みです。最近のトレンドである保険形態の1つとして注目され、健康意識の高い人ほど保険料が安くなっていくでしょう」