へそくりというと、後ろめたい気がするが、「孫のため」と話すのは、落語「林家一門」のおかみさん、海老名香葉子さん。
「へそくりという言葉は嫌い。家族のために、自分の裁量で自由に使えるお金。堂々と貯めればいいんです。特に、年を取ったら、そういうお金は持っていた方がいいんです。孫たちが『バーバ、肩もんであげる』『バーバの好きなアイスクリームを買ってきたよ』と言ってくると、小遣いが欲しいんだなと思って、へそくりから渡しています。私のことを気にかけてくれて、本当にうれしいですからね。
働けるうちに、感謝を伝えるお小遣いを貯蓄しておきたいですね。それ以上に、家族や周りの人への情の貯蓄も必要です」(海老名さん)
元気なうちに情とお金は貯めなさい、しっかり貯めて、自分も周りもうれしくなることに使いなさい。それが、おかみさん流のへそくり術だ。
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号