「雑費のためのお金を、ほとんどマスク代に充ててしまって……。しかたなく夫に報告したら、『なくなるまで買うのをやめろ!』と、強く言われてしまったんです。でも、そう言われるのは想定の範囲内。なくて困るのはあなたじゃなくて? って思います」
これからの季節、新型コロナウイルス以外の、風邪やインフルエンザウイルスの流行も始まる。こんな季節が始まるからこそ、使い捨てマスクはストックしておくべきではないのかと、伊藤さんは夫に少し怒っているようだった。
「夫や子供が毎日清潔なマスクを着用して出社できるのは私のお陰です。無ければ『無い!』と騒ぐのは目に見えています。次は食費からマスク購入代を捻出し、これからの季節に備えていきたいと思います」
夫と口論になってしまった使い捨てマスクストック問題だが、伊藤さんは、今後も購入を控えるつもりはないという。
使い捨てマスクに限らず、アルコール消毒液やハンドソープ、うがい薬などの新型コロナウイルス対策に役立つ商品が買い占められたり、店舗から在庫がなくなったりした。またいつ在庫がなくなるのではないかなどの不安はあるかもしれないが、皆が必要な分だけ購入する節度を保てば、供給不足になる心配は少ないともいわれている。
新しい生活様式の一つとして取り入れられているマスクの着用。当分の間、使い捨てマスクに関するトラブルは続きそうだ。