7月の熊本豪雨では球磨川が10数か所で氾濫・決壊し、流域の1000ヘクタール以上が浸水。65人もの犠牲者を出した。どうすれば水害から家を守ることができるのだろうか。
自宅が水浸しになった人の多くが「準備しておけば良かった……」と振り返ったのが「土嚢(どのう)」だ。
洪水発生時に玄関や門扉に積み上げて床下・床上浸水を防ぐだけでなく、水が引いた後の復旧作業にも用いられた。
ただし、一般家屋で重くてかさばる土嚢を常備しておくのは現実的ではない。そこで注目されているのが、組み立て式の「止水板」だ。L字型の止水板は、複数枚を組み合わせて玄関前などに並べ、水の浸入を防ぐ。2万円程度から販売されている。
台風や豪雨で下水量が増加した場合、洗濯機や風呂場の排水溝、トイレなどから下水が逆流することもある。それを防ぐには「水嚢(すいのう)」が効果的だ。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が語る
「容量40リットル以上のゴミ袋を2枚重ねにして、水を20リットルほど入れて排水溝やトイレの中に置いておきます。段ボール箱に水嚢を入れて使えば、土嚢の代用になる」
水害対策を行なった上で、台風・洪水の大規模な被害が予想される場合、「大切な家具や、浸水させたくない思い出の品などは2階以上に上げるとよい」(同前)という。