一時は「若者のクルマ離れ」の深刻化が盛んに報じられていたが、コロナ禍での感染リスク低減の観点から、車移動があらためて注目されている。車を持っていると、周りの人から「乗せてほしい」と言われることもあるだろうが、何かと「便利屋扱い」されることにストレスを抱えている人たちもいるようだ。
30代の男性会社員・Aさんは、恋人とのデートや移動のために、自分の車を使うことが多い。とはいえ、ガソリン代や高速代金、駐車場料金など、“経費”を一切負担してもらえないことがちょっとした不満だと漏らす。
「僕が支払って当たり前だと思っているというか。はじめのうちは『いつもありがとう』と言ってくれていましたが、そのうち一言もなくなってしまいました。世間的にはどうなのかなと思って友だちに聞いたら、ある程度払ってくれる女性や、飲食代を負担してくれるという女性もいて、ショックを受けました」(Aさん)
とはいえ、Aさんは「彼女にガソリン代を出してもらいたい」と思っているわけではない。高速代、保険代、自動車税、車検代といった、マイカーを維持するための諸経費の存在を理解してほしいのだという。
「彼女は実家住まいで、いつも父親が運転する車で送り迎えが普通の環境で育ってきました。だから『ありがとう』で済んできたのでしょう。車の維持費について、深く知らないんだと思います。ただ、ガソリン代を半額払えとまでは言わないけど、お金も労力もかかっていることを少しは理解してほしい。『送迎されて当たり前』という感覚にちょっとモヤモヤしてしまいます」(Aさん)