税金や保険料は未払いがあると当局が強制的に取り立てるが、払い過ぎても自動的には戻らない。身内が亡くなった時の“戻ってくるお金”も自ら動いて取り戻すしかない。
「死後、まずは公的保険の整理を行ないたい」と指摘するのは、税理士の相原仲一郎氏。
「公的保険は失効の手続きをすると、払い過ぎた分の健康保険料が自動的に払い戻しされます。故人が国民健康保険に加入していたら、死亡から14日以内に国民健康保険証を管轄の市区町村に返却します。同時に窓口で『国民健康保険資格喪失届』や『後期高齢者医療資格喪失届』などの書類をもらって記入します。
会社員の場合は基本的に会社が健康保険の失効手続きを行ないますが、念のため担当者に問い合わせましょう。なお会社員なら未払いの給料や退職金、社内の積立金があるかもしれないので、担当者に併せて聞いておく」
また、65歳以上の介護保険第一号被保険者が亡くなったら、14日以内に「介護保険証」を返却して「介護保険資格喪失届」を市区町村の介護保険窓口に提出する。
「この手続きの後、役所が払い過ぎた介護保険料を計算して遺族に還付します。ただし、未納分があれば相続人が代わりに納めることもあります」(前出・相原氏)
※週刊ポスト2020年10月9日号