「大人になってもお下がりは続いています(笑)」
30代の女性会社員・Bさんは、7歳年上の姉、4歳年上の姉と2人の姉がいる。お下がりを経験しているが、「気にすることはなかった」と笑う。
「三姉妹の末っ子なので、とにかくすべてお下がり。親も、3番目になるとあまり気にかけなくなるようで、『すぐ大きくなるんだから』なんて言っていました(笑)。私も、むしろ姉のお下がりを着られるのが嬉しかったものです。同級生よりも早く大人っぽい知識を得られるのも自慢でした」(Bさん)
3歳年上の兄がいる40代の男性会社員・Cさんは、お下がりは「あまり意識していなかった」といい、嬉しいときもあったと言う。
「子どものころは兄のお下がりが多くて、『またか』と思っていましたが、そこまで意識することはありませんでした。どちらかというと、『弟なんだからそんなもん』くらいの当たり前の感覚というか。逆に自転車や筆箱を譲ってもらったときは、ものすごくかっこいいものでラッキーだと思ったくらい。ゲームやマンガの趣味が合ったので、兄が買ってきたものの恩恵は大きかったですね」(Cさん)
Cさんは弟でよかったと思ったことは、意外にも多かったという。
「兄はよく、母から『お兄ちゃんなんだから』と言われていて、我慢する場面が多かったと思います。家業を継ぐプレッシャーもあったのか、1浪で難関大学に進学。そんな頭がいい兄から勉強を教えてもらったのに僕は2浪でそこそこの大学……。もちろん劣等感はありました。大人になってからは、兄が型落ちの携帯やスマホ、PCなどを『お前、いるか?』みたいにくれます。お下がりは続いています(笑)」(Cさん)
嫌だったという人がいる一方で、嬉しかったという人もいるお下がり問題。育った家庭環境によって、その思い出も様々なようだ。