そして日本に戻ってきたのですが、東京・府中の自動車免許交付場で2500円を払ったら日本の免許に変更してもらえました。以後、運転したのは、友人たちとスノボをするために蔵王へ行く途中で、東北自動車道を走ったときだけです。「高速だったらお前でもできるよ」ということで一般道は任されず、高速だけ運転しました。東京都内で運転したことは一度しかないです。しかも最後の運転は2006年!
……という状態で、ペーパードライバー講習ですよ。9月30日16時、我が家までやってきてくれたのは白髪で長身でダンディーなO先生です。O先生には上記のことをすべて伝え、本当にヤバいくらい緊張していることは伝えました。こちとら何せウインカーさえちゃんと扱えるのか不安なのですから。
ウインカーって2段階になっていますよね。1段階目だけで一瞬「カチッ」となって戻したらウインカーは止まってしまう。2段階目まで右も左もやりましょう、とO先生は教えてくれました。「ウインカーの1段階目は、初心者は考えないでいい」とも教えてくれました。
こんなレベルの私を指導するのだから、プロとはいえ、心配になったのではないでしょうか。しかも、発進しようと思ったら右後方から少年が猛烈なスピードで自転車を駆ってきた! 接触は回避できましたが、「とにかく車を運転する時は前方後方左右すべてに注意しなくてはまずい」ということが、この経験で分かりました。
ペーパードライバー講習の場合、ブレーキに杖がついています。これは助手席のサポーター(O先生のこと)が、緊急時に手動でブレーキを押してくれるわけです。「何かあったらとにかくブレーキ」はまず強調されたことです。
「ハンドルを握ると人が変わる」のはなぜ?
さぁ、気を取り直して出発進行してみます。いきなり都心の大動脈、山手通りを富ヶ谷(渋谷区)から出発します。ハンドルを握る手はすでに冷や汗をかいている。ハンドルの握り方についても指導されます。
「親指をこの部分に合わせて、ウインカーは一番長い中指で操作しましょう」
ついに14年ぶりの運転です。「本当に出発していいのですか? 誰か飛び出してこないかな」などとビビりながらアクセルを踏んだら、軽自動車ながら快適にスピードが出る。400メートルほど走ったら信号があり、少しずつ速度を落としているつもりでも、強くブレーキを踏み過ぎてポンポンとはねてしまいます。