日経平均株価は堅調な推移を見せているが、それをはるかに凌ぐ“バブル超え”で証券業界関係者たちの間で注目を集めているのが、東証1部の500銘柄で構成される「日経500種平均株価(日経500平均)」だ。広く知られる日経平均株価(日経225)と同じく、日本経済新聞社が算出・公表している株価指数のひとつだ。
マーケットアナリストの平野憲一氏が解説する。
「日経平均がバブル期の1989年末につけた史上最高値(3万8915円)に遠く及ばないなか、日経500平均は9月28日に2430.70円と1989年末の2406.47円を抜いて31年ぶりの史上最高値を更新しました。
米国をはじめ世界各国で史上最高値更新が続くなか、日本の株式市場にも明るい材料があることを証明したといえます」
日経平均は225銘柄で構成されるが、日経500平均はその倍以上の銘柄が含まれる。一見、“少数精鋭”の日経平均に実力で劣る銘柄まで含まれているように思えるが、どうなのか。経済ジャーナリストの和島英樹氏はこういう。
「日経500平均の採用銘柄を見ると、任天堂やキーエンスといったコロナ禍でも好業績を維持して日本経済を下支えする銘柄が目立つ。いずれも日経平均には採用されておらず、その差が平均株価の違いに現われている」
なぜ「225」のほうには、こうした企業が採用されないのか。
「日経平均はITバブル真っ只中の2000年4月に30銘柄もの大幅入れ替えをしたことで、バブル崩壊とともに全面安となった。以降、上場廃止などがない限り大幅な入れ替えがなくなった」(カブ知恵代表・藤井英敏氏)