安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選挙の投開票が9月14日行われ、圧倒的優位を保っていた菅義偉氏が勝利し新総裁となった。16日の臨時国会で首相に指名される見通しだ。安倍政権の誕生時は「アベノミクス」と呼ばれる経済政策への期待が株式市場全体を押し上げたが、菅政権の場合はどうなのか。
総裁選への出馬表明から一貫して、大規模な金融緩和や財政出動などを柱とするアベノミクスなど、安倍首相の政策を継承していく考えを示してきた菅氏。マーケットへの影響について、カブ知恵代表・藤井英敏氏はこう分析する。
「菅氏が首相に就任しても、アベノミクスの大枠が変わることはなく、今後も継続して金融緩和や積極財政を推し進めていくことになるでしょう。大枠が変わらない以上、日経平均株価の上昇基調もこれまでと変わらず継続すると見ており、年末にかけて2万4000円を超え、2万5000円を視野に入れた展開となると見ています。
米国株についても、ナスダック総合株価指数やS&P500といった株価指数は史上最高値の更新を続けるなど好調はまだ続く見込みです。ただ、2012年末に安倍首相に政権交代した時は、株式市場は“ご祝儀相場”の賑わいを見せましたが、今回はあくまで自民党内のリーダー交代。相場全体の大きな上昇は考えにくい」(藤井氏・以下同)
ただし、新政権が独自色を全く打ち出せないかというと、そうでもないようだ。菅氏のこれまでの言動を読み解いていくと、「菅カラー」が見えてくる。総務大臣だった菅氏は、かねてより「携帯電話料金の引き下げ」を声高に叫んできたほか、安倍政権の官房長官としてさまざまな政策に力を入れてきた。
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