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“毒親の死”に負い目を感じアルコール依存症に 苦悩から脱した契機は

毒親の“過剰な愛”とどう向き合うべきか(イラスト/つぼゆり)

毒親の“過剰な愛”とどう向き合うべきか(イラスト/つぼゆり)

 子供の人生を支配しようとする“毒親”という存在。特に、日本では結婚や育児で仕事のキャリアを積めなかった女性が、娘に自分の夢を託して過度に支配するケースが多いという。そんな毒親に育てられた子供は、卑屈になったり過度に献身的になったりと、人間関係のバランスがうまく取れなくなり、家庭や職場で人間関係のトラブルを起こしやすいといわれている。そこで、45才主婦の経験談をもとに、キャリアカウンセラーが、親との関係を見つめなおす方法を解き明かす。

【実例】言うことをきかないと自殺未遂をする母

 私は母が43才のときに授かった待望の娘で、大切に育てられました。小学校から名門私立女子校に通い、バイオリン、茶道など、週7で習い事。服は百貨店のオーダーメードでした。でもこれは母の希望。私は、Tシャツにズボンで泥んこになって遊びたかったけれど、それは許されませんでした。女の子らしく生き、女子大卒業後に結婚する、それ以外の道では幸せになれないの一点張りでした。

 大学に入った私は耐えられなくなり、友達の家を転々として家に帰らなくなりました。最たるは成人式。母が5年かけて作った総刺繍の振袖を着ずに式典をすっぽかし、朝まで飲んでいました。しかし翌日、家に帰ると、母が大量の睡眠薬をのみ、意識がない状態に──。幸い一命をとりとめましたが、2年後に65才で亡くなりました。

 母を殺したのは自分だという負い目から、私はその後、10年以上アルコール依存症に苦しむことに……。しかし、その治療の過程で知り合った男性と結婚。夫と義母の関係を知って、人生が変わりました。

 2人はなんでも言い合って、けんかもするけれど、お互いのやりたいことに寛容なんです。夫に相談したら、「きみはお母さんの期待に応えられなかったかもしれない。でもお母さんもきみの意見を聞いてくれなかったんじゃないか?」と……。夫と義母のおかげで、いまは客観的に考えられるようになりました。それがいまの私の救いになっています。
(45才・主婦)

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