投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月5日~10月9日の動きを振り返りつつ、10月12日~10月16日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は4週ぶりの上昇に転じ、コロナショック後の戻り高値を更新した。
2日のNYダウはトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染を懸念した売りから反落していたものの、東京市場は、その後伝えられた同大統領の早期退院の可能性を受けて買い戻しが先行し、週初5日の日経平均は反発した。東証1部の値上がり銘柄は全体の87%に達してほぼ全面高商状となった。なかで、休止中の高炉の再稼働が報じられた日本製鉄<5401>が6%近く上昇したことが目立った。
5日のNYダウはトランプ大統領がこの日退院することが明らかになり、追加経済対策を巡る協議の進展期待なども加わって大幅高となった。6日の日経平均はこの流れを受けて続伸した。ただ、米国の経済対策を巡る協議をにらんで、商い手控えムードも強く、東証1部の売買代金は、取引停止された1日を除いての2兆円割れは9月7日以来およそ1カ月ぶりに停滞した。
トランプ米大統領が追加経済救済策の交渉を選挙後まで延期するよう指示したことが嫌気された6日のNYダウは反落した。貿易赤字が14年ぶり最大に拡大したことなども警戒された。これを受けて、7日の日経平均も3日ぶりに小反落した。東証1部の売買代金も2日連続で2兆円を割り込んだ。ただ、トランプ米大統領が航空業界や中小・零細企業など対象を絞った経済支援策の検討をツイッターで言及したことを手掛かりとして、朝方の寄りつきを安値に日経平均はジリジリと切り返し、前日終値とほぼ変わらない水準まで値を戻した。TOPIX(東証株価指数)はプラスに転じた。