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【日本株週間見通し】日経平均は週末に失速、今週は手掛かり難か

 今週の日経平均は、手掛かり難の展開が継続して落ち着きどころを探る展開となりそうだ。米追加経済対策の大統領選前の合意が困難との見方が強まり、景気の先行き懸念に加えて為替相場のドル安・円高による国内企業業績への影響が警戒され始めた。一方、欧州ではフランスのパリなど主要都市で夜間外出禁止令が発令され、ドイツ、イタリア、ポルトガル、チェコなどで1日当たりの新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新と懸念材料が増えている。

 こうした外部環境の悪化は、東証1部の出来高10億株未達および売買代金2兆円割れの継続という現象につながり、東京市場の不透明感の強さを象徴している。市場エネルギーが低下しているだけに、マーケットインパクトのある新規の材料が出現すると、指数は大きく上下に振れやすくなっていることには注意が必要だ。

 ちなみに、14日には9月29日以来となる日銀のETF(上場投資信託)買いが実施されたが、1日当たりの買い入れ額は701億円と9月までの801億円から減額されている。積極的に上値を買いあがる材料が見当たらない中、日経平均は5日移動平均線に抑え込まれる形で、下押し圧力が強まりそうなパターンとなっている。16日には終値で節目の23500円を割り込んで大引けている。25日移動平均線(23401円)が下支えラインとなっているが、これを割り込んでくると、リスクオフに転換するムードともなってきそうだ。全般は神経質な展開が予想される。

 物色的には方向感が定まるまで個別株物色が中心となることが予想される。国内での決算発表本格化を26日からに控えて、手掛かりのひとつとなるのが米国企業の決算発表だ。19日にIBM、20日にテキサス・インスツルメンツ、ネットフリックス、21日にテスラ、22日にインテルの発表が予定されている。半導体関連への関心が集まりそうだ。

 また、ファーストリテイリング<9983>、ベイカレント・コンサルティング<6532>、セラク<6199>など好決算、好決算見通しを発表した企業の株価は好反応を示しており、こうした業績相場が強まる展開も期待される。一方、マザーズ指数は2006年ライブドアショック以来の高値に駆け上がったが、15日以降から波乱の展開となっている。上昇してきた中小型およびマザーズ銘柄は乱高下する銘柄も増えてくることが予想される。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、19日に9月貿易収支、20日に9月首都圏マンション発売、9月主要コンビニ売上高、21日に9月訪日外客数、23日に9月全国消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、19日に中国7-9月期GDP、中国9月小売売上高・鉱工業生産、米10月NAHB住宅市場指数、20日に米9月住宅着工件数、21日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、22日に米前週分新規失業保険申請件数、米9月景気先行指標総合指数、米9月中古住宅販売件数、米大統領選候補者テレビ討論会、23日に米10月製造業購買担当者景気指数(PMI)が予定されている。

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