冷え込む季節となってきた矢先、家の財布もグッと寒々としてきた。大幅なボーナスカットを公表する企業が相次ぎ、新型コロナウイルスの流行拡大が、いよいよ私たちの家計に大打撃を与え始めた。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんはこう指摘する。
「そもそも毎月の貯金をできていないどころか、ボーナスで月々の赤字を補填している家庭は意外と多い。コロナ禍以降は生活スタイルが一変し、収入も変わっているはずなので、家計の支出を根本的に見直さなければいけません」
収入が減れば、生活レベルを下げる必要も出てくる。「貧乏な暮らしを強いられる」と不安になるかもしれないが、丸山さんは「それは決して“貧しい生活”を意味するわけではない」と話す。
「『生活レベルを下げる』とは、無駄な支出をなくして生活にかかるコストを抑えることであり、出費にメリハリをつけることであって、生活の質を落とすこととは違います。ただし、思い切って柔軟に家計を見直せないならば、破綻することも覚悟しなければなりません。とにかく、いまは家計を抜本的に見直すべきです」(丸山さん)
夫と3人の子供と暮らし、世帯年収640万円にもかかわらず、たった5年間でゼロから貯金を1000万円貯めた人気インスタグラマーで主婦のゆきこさん(31才)は、ボーナスに頼らない生活を実践している。
「うちは毎月の収入のみでやりくりするよう心掛けているので、たとえボーナスがなくなっても慌てません。私が貯金できたのは“見栄を張るのをやめて、お金のかけ方への固定観念を捨てた”からです。たとえば、『子供のため』とテーマパークへ行くのではなく、家族で公園に出かけるなど、お金をかけなくても満足度の高い楽しみ方をできるように改めました」(ゆきこさん)