コロナ禍の経済的ダメージは、日々の節約の努力を打ち消すほどの大打撃をもたらす。大幅なボーナスカットを公表する企業が相次ぎ、いよいよ私たちの家計に大きな打撃を与え始めた。
手取り月収が「2割減」以内の場合は、毎月の食費やレジャー費、日用品にかかる支出など、その時々で変動する「変動費」を見直せばいいと、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは指摘するが、深刻になるのは、手取りが月に3割以上減った場合だ。変動費の見直しだけではカバーできず、通信費、保険料、教育費などの「固定費」に切り込み、見直す必要が出てくる。
【1】 携帯電話は「格安スマホ」が最強
現代の生活に欠かせなくなった携帯電話やインターネットの通信費は、バカにできないほど大きな固定費だ。それらは大手キャリアから格安スマホに変更するだけで大きく下げられる。
「大手キャリアはまだまだ高い。格安スマホは月額3000円以下で収まるものもあります。自宅のインターネット回線もスマホの契約会社で統一すればセット割で安くなることが多い。在宅ワークが増えてインターネットは必要不可欠ですので、回線やプランは見直すべきです」(丸山さん)
ただし、格安スマホはトラブルに自力で対処しなければならないという欠点がある。向き不向きがあるため、優先事項を見極めたい。
【2】生命保険は「利回り」を重視する
払いきれない保険料は家計を圧迫する大きな原因になる。
「よほど利回りがいい貯蓄型の生命保険だけ残して、それ以外は更新のタイミングでやめるのも手です。掛け金が安い掛け捨て型保険なら、おすすめは『都道府県民共済』。通常の保険は年齢とともに保険料が上がりますが、共済は掛け金が変わらないし、一時的にやめてもペナルティーがない。数年後に同じ掛け金で入り直すこともできる。余剰金が出れば掛け金の一部が戻ってくるというメリットもあります」(丸山さん)
夫と3人の子供と暮らし、世帯年収640万円にもかかわらず、たった5年間でゼロから貯金を1000万円貯めた人気インスタグラマーで主婦のゆきこさん(31才)は「サラリーマンならば会社の健康保険制度もこの機会にチェックしてほしい」と話す。
「会社の健康保険制度が手厚いのを知らずに、不要な民間保険に加入していることもあります。たとえば病気で高額な治療費を支払ったとき、国の高額療養費制度とは別に医療費が給付される健康保険組合もある。加入する健康保険を確認してみてください」