最大のネックは費用だが、会社との交渉の末、長期出張とみなされ、ホテル滞在費も帰省費も会社持ち。当初はウキウキだったという。
「私は掃除が大嫌いで、自宅はゴチャゴチャ。しかしホテルでは毎日シーツを変えてもらえ、部屋もトイレもお風呂も掃除してくれますし、ゴミも捨ててくれます。エアコンも使い放題のうえ、大浴場があるホテルなので、毎日のお風呂タイムも快適。これまでは朝食抜きの生活でしたが、無料バイキングなので、毎朝たっぷり朝食も食べています」
滞在したホテルは街の中心部にあり、オフィスまでも歓楽街までも歩いて数分。同僚の羨望の眼差しを浴びながらの生活だったが、喜んでいたのはせいぜい2か月ほどだったという。
「滞在しているのはビジネスホテルで部屋は狭く、帰ったらビールを1~2本飲んで、風呂に入って寝るだけ。ベッドとTVしかない殺風景な部屋に帰るのがイヤで、毎晩のように外食です。ビジネスホテルの狭い部屋で弁当を食べると侘しいんですよ。電子レンジも無いですし。
それから、ホテルって普通の家よりも隣の部屋の音がよく聞こえるんです。シャワーやトイレを流す音は丸聞こえで、『こんな時間にシャワー浴びてんじゃねーよ!』と、イライラしたこともありました。
面倒なのは洗濯です。ランドリーサービスはありますが、下着やTシャツまで出すのは忍びないので、しょっちゅうコインランドリーに行っています」(Sさん)
“住めば都”とはいうが、やはり短期滞在用の場所ということか。前出のホテルマンも、声を潜めてこう語る。