一方、ファミリーマートの広報担当者は、もともとおにぎりのご飯の量に「(何グラムと)決まった重さがあるわけではない」としながらも、「糖質制限の流行もあり、おにぎりに限らずお米の量を抑える傾向にはあります」と、以前よりご飯の量が少なくなっていることを認めた。
ただし具材については「一口目から具材に当たるような詰め方を研究している」と自信を見せる。実際、ファミリーマートでは今秋、高価格帯(税込168~198円)の贅沢おむすびシリーズ「ごちむすび」を発売。特に具のボリューム感が特徴で、鮭はらみは通常のおむすびの約1.4倍にもなっている。SNSでの評判も「食べ応えがある」「具がたっぷり」など上々で、満足感が大きいことが伺える。今後は量より「質」で勝負に出るといったところだろうか。
結論として、コンビニのおにぎりが小さくなっているという感覚は、あながち間違っていなかった。もっともこれは悪いことばかりではない。背景には消費者のニーズの変化があるわけで、小さめのおにぎりを好む人も増えているということ。その一方で、高級路線の具材で勝負するおにぎりも登場するなど、消費者の選択肢は増えている。
もはや、家庭のおにぎりよりも、コンビニおにぎりの方を人生で多く食べているという人もいるはず。日本人の国民食のひとつ「おにぎり」は、コンビニでの流通を通して、新たなかたちに進化しつつあるようだ。
【追記:ローソンの広報担当者の回答は、「ご飯の量は変えていない」とのことだった。(2020年10月27日)】