外食チェーンで食事をしていると、「いったいこのメニュー、原価はいくらなんだろう?」と疑問に思うこともあるだろう。いくら安価なメニューでも必ず店側の“儲けのカラクリ”は存在する。関係者への取材からその原価率に迫った。
例えば、カレーチェーンのメニューは比較的、食品原価率が高い。ベースとなるポークカレーは、ご飯約50円(約200グラム)、ルー80円、肉・野菜80円で合計210円ほど。ビーフカレーは牛肉の価格が若干高く、230円程度となる。
そこで、利益を生み出しているのは豊富なトッピングメニューだ。売れ筋上位のチーズの原価は約50グラムで50円程度。ロースカツは約140グラム120円ほど、ウインナー4本で約40円。いずれも150円以上の利益が出る優良商品だ。
「カレー店はランチが勝負。お酒を飲みながら食べる料理ではないので、ディナーは多くて1回転。その分、ランチで10回転以上の店もある」(カレー総合研究所・井上岳久代表)
基本的に原価率は30%を超えると商売が成り立たないため、廃棄ロスをいかに減らすかもポイントになる。
「全国展開する大手チェーンでは、まず原価率を徹底的に計算し、定価と原材料を決定。セントラルキッチンで冷凍したルーを店の回転に応じて解凍するためロスが極めて少ない」(同前)