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【日本株週間見通し】米大統領選も近く、日経平均は23500円付近の展開か

 経済封鎖が始まった3月以降で新規失業保険申請件数が最も改善されるという経済指標を好感するとともに、ペロシ下院議長が追加経済対策の合意に楽観的な見通しを示し、22日のNYダウは反発した。23日の日経平均も上昇して始まったものの、日本時間午前10時からの米大統領候補のテレビ討論会をにらんで模様眺めムードが強まり、一時は前日の終値付近まで値を消した。しかし、討論会を無事通過し時間外取引の米株価指数先物とアジア株が堅調だったことを受けて後場は上げ幅を広げた。大引けにかけては失速したものの日経平均は前日比42.32円高の23516.59円と反発した。個別では、ファミリーマート<8028>の上場廃止決定で日経平均構成銘柄に追加されたネクソン<3659>が一時ストップ高と急騰した。

 今週の日経平均は一進一退の動きが継続しそうだ。米追加経済対策の協議と新型コロナウイルスワクチン開発の動向、欧州での新型コロナウイルス感染拡大、11月3日に迫った米大統領選挙に関連するニュースフローが日米の株価に影響を与える構図は、今週も継続しそうだ。さらに、日米の決算発表が本格化することで、より神経質な地合いとなってきそうだ。

 25日移動平均線が下値をサポートとする日経平均は、下値の堅さと上値の重さがともに意識されているが、22日には5日移動平均線に加えフシ目の23500円を一時下回った。東証1部の売買代金が上昇相場に必要な2兆円を割り込む状態が継続している状況下では先高観が芽生えにくい。9月調査の日銀短観における大企業製造業の今期前提為替レートである1ドル=107.34円を3円近くかい離する円高をみたことも、調整を引き出しやすい材料だ。

 さらに、22日の全面安商状の中で日経平均とジャスダック平均がマイナス0.7%程度にとどまったのに対して、先物でサーキットブレーカーが発動したマザーズ指数はマイナス4.51%と8月28日以来となる大幅な下げを見た。マザーズ市場のメインプレイヤーである個人投資家の相場に対する体感温度を引き下げている。こうしたなか物色展開は、業績相場に入ってくる。

 国内の主要決算発表では、26日に日本電産<6594>、キヤノン<7751>、27日に信越化<4063>、富士通<6702>、28日にソニー<6758>、コマツ<6301>、29日にオリエンタルランド<4661>、東京エレクトロン<8035>、ファナック<6954>、30日にエムスリー<2413>、村田製作所<6981>が予定されている。株価上昇が続く日本電産の決算後の株価動向が、今後のハイテク株の方向性を占うものとなろう。

 また、29日の米国企業の決算発表では、アップル、フェイスブック、アルファベット、アマゾン、ツイッターとGAFAの発表が集中する。米大統領選でバイデン氏勝利となるとGAFAなど巨大IT企業に逆風の政策になるとの観測もあり、決算発表後の物色の流れに影響を与えそうだ。

 このほか、話題としては、日経平均への寄与度も大きいソフトバンクグループ<9984>が年1度のグルーブの祭典ともいえるイベント「ソフトバンクワールド2020」を10月29日、30日と2日間にわたって開催する。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、26日に9月企業向けサービス価格指数、臨時国会召集の予定(12月5日まで)、28日に日銀金融政策決定会合(29日まで)、29日に黒田日銀総裁会会見、日銀展望レポート、10月の消費動向調査、30日に9月失業率・有効求人倍率、9月鉱工業生産がそれぞれ予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、26日に中国共産党が第19期中央委員会第5回総会(5中総会)を開催(29日まで)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合(28日まで)、27日に米9月耐久財受注、米8月FHFA住宅価格指数、29日に米7-9月期GDP、米9月中古住宅販売仮契約、ECB定例理事会、ラガルドECB総裁会見、30日にユーロ圏9月失業率、ユーロ圏7-9月期GDP、米9月個人所得・個人支出、31日に中国10月製造業PMI・非製造業PMI、EU(バルニエ首席交渉官)が主張する英国離脱の協定交渉の期限が予定されている。

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